七月十九日(日)

梅雨の晴れ間。朝から青空が見える。う、暑くなりそう。
なんとなく気が重い。脚も重い。
重い気と脚を励まして走りに出かける。

「今日は疲労抜き」と言い訳をして、ゆっくり走る。
ゆっくり走っても疲れてくる。疲労抜きのはずなのに。

視線がうつむきがちになる。足もとの路面ばかり見ている。
ふいに黒い影が足もとをよぎる。大きな鳥の影。
見あげると、梅雨の晴れ間の夏空にトンビが円を描いている。
ゆったりと滑空している。
「気持ちよさそうだなあ」
たぶんトンビには気持ちいいとか悪いとかの感情はないだろうけれど、
やっぱり眺めていると気持ちよさそう。
ぼんやりとそんなことを考える。
背筋が伸びて視線が少し上向きになった。

目の前にゆらゆらと合歓の花が落ちてきた。
優雅に舞っているようだ。
路面のそこここに昨日までの雨に打たれた合歓の花が見える。
がつがつせずにひらひら走ろうと思った。

前日よりゆっくり走ったのに
前日以上の疲労をため込んで十五キロを走り終える。

シャワーを浴びてから、少し遅い昼食。
食後に今年二回目のスイカを食べる。