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フルーツステーションを後に25キロに向かう。
春の淡い日差し。
足もとにはタンポポ。桜の花びらが舞い落ちている。
散歩するには絶好の陽気。
マラソンには少々暑い。まして仮装ともなれば・・・木陰に入りたい。
25キロ。
前方にちょっとした上り坂が見える。
ここに来ると激坂ゾーンが近いなと認識する。
いわばこの坂は予告編あるいは前書きみたいなもの。
この坂をきっかけに歩き出す人も多い。
何年か前にこの坂を上り切れず歩いてしまった。
「早くゴールして座りたい」そればかり思っていた。
今回は違う。まだ元気だ。
極端な言い方をすると坂という感覚ではなかった。
速度は遅いが確実に進んでいる。
まだ足もとの花に目を向ける気持ちの余裕がある。
26キロ。
平坦に見えるが微妙に上っている。
小高いところにある桜の木がいい。
大東吹奏楽団の応援演奏。
手前の二人が演奏を中断してカメラにピースサインをくれた。
こちらも笑顔とピースサインで応えて走り出す。
こうしたしぐさにも元気が出る。
すぐに第3関門。26.6キロ。
閉鎖時間の16分前に通過する。
立ち止まらず走りながら撮ったのでぶれてしまった。
前を走っていた女性ランナーの横に並んだ時
「あ、獅子舞い」と小さなつぶやき。
それをきっかけにしばらく並走しておしゃべり。
一緒に写真を撮る。
あとで気づいたのだが、シャツにラーメンの図柄。
ひょっとしたら二年前にも言葉を交わしたランナーか。
二年前の写真を確かめたら雨の中で一緒に写真を撮っていた。
同じラーメン柄のTシャツ。間違いない。こんなこともあるんだ。
27キロ。坂に近づく。
すぐそこを左折すると激坂の始まりだ。
坂の始まりをスマホで撮影するラーメンシャツの女性。
もう少し近づいて同様に撮影。
いよいよ掛川・新茶マラソンのクライマックス激坂ゾーン。
お楽しみはこれからだ。
***** つづく *****
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