ゆるり ひらひら

ゆる~いジョギング。

七月十九日(日)

梅雨の晴れ間。朝から青空が見える。う、暑くなりそう。
なんとなく気が重い。脚も重い。
重い気と脚を励まして走りに出かける。

「今日は疲労抜き」と言い訳をして、ゆっくり走る。
ゆっくり走っても疲れてくる。疲労抜きのはずなのに。

視線がうつむきがちになる。足もとの路面ばかり見ている。
ふいに黒い影が足もとをよぎる。大きな鳥の影。
見あげると、梅雨の晴れ間の夏空にトンビが円を描いている。
ゆったりと滑空している。
「気持ちよさそうだなあ」
たぶんトンビには気持ちいいとか悪いとかの感情はないだろうけれど、
やっぱり眺めていると気持ちよさそう。
ぼんやりとそんなことを考える。
背筋が伸びて視線が少し上向きになった。

目の前にゆらゆらと合歓の花が落ちてきた。
優雅に舞っているようだ。
路面のそこここに昨日までの雨に打たれた合歓の花が見える。
がつがつせずにひらひら走ろうと思った。

前日よりゆっくり走ったのに
前日以上の疲労をため込んで十五キロを走り終える。

シャワーを浴びてから、少し遅い昼食。
食後に今年二回目のスイカを食べる。

七月十八日(土)

朝から細かい霧のような雨がしとしと降っている。
お風呂の掃除を済ませ、パソコンでゲーム。しばらく続けると飽きてくる。
特に目的もなくネット徘徊。そのうち目が疲れてくる。横になって少しの間眼を閉じる。
読みかけの本を手に取ってぱらぱらとページをめくる。ものの十分ほどで本を閉じる。
横になったままぼーっとする。
相変わらず細かい雨が静かに降っている。もうお昼近くになってしまった。

午後になって天気予報どおりに雨があがった。最近の天気予報は精度が高い。結構頼りにしている。
昼食がお腹の中でこなれるまでぐうたらして過ごす。


お腹が落ち着いたので走りに出かける。
ところどころ雲が切れて陽が射し始めてきた。蒸暑い。
汗でシャツがぐっしょりと濡れ、色が変わって見える。
時計を見てタイムを確かめる。思ったより速い。
「今日は調子がいいぞ」と少々浮かれる。

七キロ行ったところでいったん走るのをやめ、スクワット、ランジ、ダッシュなどをする。
特にこれといった根拠はないが「いい練習をしている」と自賛する。

刺激が入ったのか、その後少しペースが上がる。
併せて呼吸も少し弾む。
すぐ横を流れる川面を渡り、弱い風が吹いてきた。
シャツをまくり上げ、団扇のようにぱたぱたさせてお腹に風を当てる。快適。

急な上り坂に差し掛かる。このコースの一大ポイント。
はあはあと息を荒げ、結構まじめに走る。
いつもより速いペースで上り切った。
「ナイスラン」と自分で自分をほめる。

十四キロを走り終えて終了。
「うん、いい走りができた」と、また自分をほめる。

今日は三回も自分をほめた。

夜、今年初めてのスイカを食べる。

長い間ブログの更新をさぼっていた。
前回のアップからすでに5カ月近くの月日が経とうとしている。

昨年12月に参加した「袋井クラウンメロンマラソン」の記事は、
完了することなく放置されたままだ。
このままでは終われない。
体裁だけでもいいから完了させなければ次に進めない。
ふつふつとそんな気持ちが湧いてきた。
今更という気もするが、薄れた記憶をたどりながら続けてみよう。

大会の中止が相次ぐ中、過去の大会を振り返るのは
次の大会が開催されるまでのモチベーション維持につながるかもしれない。

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最終エイドを目指しながら黙々と進む。
「もう少しだ、もう少しで楽になれる」
後方にぽつりぽつりとランナーがいる。
まだ最終走者ではないようだ。
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ゆるい坂をやっとの思いで上ると最終第8エイド。
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スタッフの方に「がんばれ」と声を掛けられる。
「もうここでやめるつもりです」
「そんなこと言わずがんばりましょう、あと少しです」
そんな言葉を交わしたと思う。


励ましの言葉に、ついついその気になってしまい
収容車に乗りそびれてしまった。
最終関門までがんばってみよう。


なんとか38キロ。
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横を新幹線が通過する。



後を振り返ってみる。
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同じようなペースで歩いている人がひとり。
そのすぐ後方に最後尾車がついている。



39キロを通過。
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最後尾車のアナウンス音声が大きくなった。
いつの間にか後ろにいた人がいない。
とうとう最後尾になってしまった。


最終関門までわずか。
そこでリタイアしよう。



40キロ直前の最終第6関門。
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すでに閉鎖されている。
道路左に収容バスが停車している。

ここでゼッケンを外し、今回のマラソン大会が終了。
バスに乗るより歩いて戻った方が早いというスタッフの言葉で
エコパまで歩行者通路を歩く。


坂道は動く歩道を利用。楽ちん楽ちん。
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エコパ到着。
制限時間前後にゴールした人たちと一緒にメロンを食べる。
甘いけれど、気分的にはちょっとしょっぱい。



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初めての途中リタイア。
悔しい。
この借りは来年必ず返してやる。


***** おしまい *****

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